作品
オペラ《ZEN》
禅と哲学、戦争の記憶をめぐる、権代敦彦と堤春恵によるオペラ。鈴木優人指揮、バッハ・コレギウム・ジャパンにより調布国際音楽祭2026で世界初演された。
作品について
権代敦彦が堤春恵の台本に作曲した、2幕5場のオペラ。2025年の作品で、鈴木大拙と西田幾多郎の思想を、戦争を生きた人々の物語に重ねる。禅の思想を説明するだけでなく、人が言葉を通して何を伝え、音楽がその先に何を開くのかを問う作品である。
物語
1941年の京都。大拙と西田が禅と哲学について語り合う。舞台は敗戦後のシンガポールへ移り、死刑を待つ木村和夫と、減刑された鷹野清一の間を、西田の『哲学の根本問題』がつなぐ。
木村は本に言葉を残す。帰国した鷹野と木村の妹・正子の対話を経て、物語は生き残った者の苦しみと向き合う。大拙の存在が、自分と他者を隔てるものを問い直す契機となる。
音楽の入り口
作曲者は、戦争そのものよりも、哲学者たちが残した言葉と、その先にある音楽の領域を見据えている。声楽と男声合唱、バッハ・コレギウム・ジャパンの管弦楽、尺八が出会う響きも、この作品の大切な要素となる。
2026年の世界初演
2026年6月26日、調布国際音楽祭にて世界初演。会場は調布市文化会館たづくり・くすのきホール。鈴木優人が指揮、田尾下哲が演出を務め、バッハ・コレギウム・ジャパンと尺八の黒田鈴尊が参加した。
鈴木大拙:加耒徹/西田幾多郎:与那城敬/木村和夫:櫻田亮/鷹野清一:加藤宏隆/木村正子:村松稔之/看守:渡辺祐介。